「それを聞いたら未来の顔が浮かんで、無性に腹が立ったわけ!んでね、言ってやったの!」
「・・・・うん」
そこまで言うと、小百合はまるでビールを飲むようにぐびぐびとアイスコーヒーを飲んだ。
名前と見かけによらず、小百合にはけっこう男勝りな部分がある。
今回のことも、きっとそう。
「“あんたらは一生、本当の恋なんてできない!いつまでも恋人ごっこをしてればいいよ!”」
「・・・・ぷっ」
「ちょっと!今、キメのとこ!」
思わず吹き出すと、小百合は膨れてあたしの腕をバシバシ叩く。
大いに不満があるみたい。
でも、だって・・・・。
「ごめんごめん。だって、小百合の台詞、あたしが思ったことと一緒だったんだもん。なんだかおかしくって」
「恋人ごっこ?」
「うん。まさにその通り!」
「ぷっ!」
あたしがあんまり笑うから、小百合にもそれが移ったらしい。
堪えきれずに吹き出しちやった。
でも、本当にそう思う。
恋の痛い部分や苦しい部分は、きっと恵介たちには分からない。


