◆誠治side.*:・゚
酒を飲まないと寝られないなんて一体どれくらいぶりだろう・・・・。
少なくとも、長澤が働き始めてからはそんなことはなかった。
麻紀と別れたあとは、無気力で他人なんてどうでもよくて、夜は決まって飲んでいた。
そうしないと眠れなかった。
だけど最近は・・・・飲み会の前までは、長澤のおかげで心が安らかで美味い酒が飲めていた。
それなのに・・・・。
カラン、カラン。
今の俺の部屋はビールの空き缶が転がっていて、小さなテーブルの周りは歩けば缶が足に当たる。
最低だ。
酒に逃げ道を求める俺は、その何倍も最低だ・・・・。
それでも俺は、長澤の部屋の前で語りかけることをやめられない。
毎日、そうしている。
長澤は、あいつと・・・・モッサとつき合うのは時間の問題なのかもしれない。
俺より接点もあるし、実際に話したことはないが話やすそうな印象だった。
長澤は人見知りだ、そういう奴のほうが楽なのだろうと思う。
・・・・俺の出る幕はもうないのか?


