綾ちゃんは気に入った水着を見つけたらしく、そこのページを折って印をつけた。
あたしは何も言えず、無理なんじゃないかと顔をしかめた。
登坂さんと海・・・・それはもちろん行きたい。できれば2人きりで。
でも、現実には“シフト”というものがあるんだよ、綾ちゃん。
バイトのシフトはどうにかなるかもしれないけど、社員のは・・・・。
登坂さんが乗る・・・・かな。
それに、モッサ君だって都合がつくかも分からないんだし、第一、どうして事あるごとにモッサ君?
あたしが好きなのは綾ちゃんと同じ人だよ、登坂さんだよ。
「・・・・ね、ねぇ、綾ちゃん」
考えて考えて、あたしは鼻歌混じりの綾ちゃんに話しかけた。
「はい?」
「短大の友だちと行ったらいいんじゃない? みんなシフトもバラバラだしさ、いつになるか分からないよ?」
“海に行くのはやめない?”と、遠回しに言ってみた。
でも、綾ちゃんの答えは・・・・。
「ダメ!登坂さんに新しい水着を見せるんですっ!!」
・・・・だよね。


