「はぁ──・・」
それから少しして、気持ち悪さも抜けると、俺は洗面台に両手をついて深く息を吐いた。
もう考えるのはやめよう、そう結論が出たんだ。
だって、異性の気持ちの全部は分からないのだから。
それから俺は、パシャパシャと水で顔を洗ってトイレを出た。
するとそこには・・・・。
「あ、登坂さん♪ どうですか? すっきりしましたぁ?」
いつもの間延びしたような特徴あるしゃべり方の梅村綾がニコニコ笑って待っていた。
それからしばらくすると、俺にとって何の意味もない飲み会も自然に終わった。
そして、なぜか俺は梅村綾の車で送られることになった。
曖昧にしか覚えていないが、山下さんか誰かが「送ってもらえ!」とはやしたてたからだったのかもしれない。
とにかく俺は梅村綾の車に乗ることになったし、長澤はモッサに送られることになった。
そっちもそっちで、俺と同じようなことを言われたからなのかもしれない。
でも、俺にはどうでもいい。
そう、どうでも。


