俺のココ、あいてるけど。

 
年下の男に嫉妬して、年下の女にうまいように転がされて。

歳上の威厳なんてあったもんじゃない。ただの酔っ払い・・・・それが今の俺。


長澤も年下ではあるけれど、梅村綾ともモッサとも違う。

ただ俺は、純粋に彼女が──長澤未来が好きなだけだ。

それだけなんだ・・・・。





それなのに───・・。


「さすがに飲みすぎたみたいだ、ちょっと頭を冷やしてくる」

「あ!フラフラしてるじゃないですかぁ!綾がトイレまで付いて行きますよ〜!」


どれだけ飲んでも気持ちいい酔いなんて回ってこなくて、気持ち悪くなるだけ。

学生の頃から仲間によく“誠治はザルだな”と言われてきた俺が、梅村綾に付き添われてトイレに行くはめになってしまった。

本当にかっこ悪くて涙も出ない。

最低だ、俺・・・・。


「大丈夫ですかぁ?」


梅村綾は、よろよろ歩く俺を支えながら上目遣いで気遣う。

そして・・・・。


「未来さんもモッサ君に連れられてトイレに行ったんですよぉ。なんかあったんですかねぇ・・・・」