だから結局───・・。
「あ、モッサ君・・・・ごめんね、関係ないのに来てもらっちゃって」
「いいよ、別に。相当困ってたんだろ? そういうときはお互い様だ、気にすんな」
「ありがとう」
無理を言って、わざわざ車を走らせてモッサ君に来てもらった。
本当、申し訳ない・・・・。
飲み会の席に少し遅れて到着したこともあって、モッサ君はかなりの注目を集めていた。
仲間内の飲み会に毛色の違う人が混じったこと、あたしが呼んだのが男性だったこと、かつてのバイト仲間だったこと。
そのほかにも理由はいっぱいあったけど、やっぱり一番は・・・・。
「皆さん、はいっ!注目で〜す!この人が未来さんの彼氏候補のモッサ君で〜す♪」
「綾ちゃんっ・・・・!」
彼が来るなり、そう紹介をした綾ちゃんのおかげで、さらに注目されることになってしまった。
あたしはただただバツが悪くなるばかりで、モッサ君は真っ赤な顔になって。
それで・・・・。
登坂さんは何も言わず、働き始めたときのように無表情だった。