◆誠治side.*:・゚



「長澤、お・・・・おはよう」

「?? おはようございます」


長澤への気持ちに気づいてから、俺は少し・・・・いや、だいぶおかしくなった。

顔を見るとうまく話せない。

それだけじゃない。


「今日は天気がいいな。洗濯物、よく乾くんじゃないか?」

「・・・・登坂さん、ベランダに干した洗濯物・・・・えっ!? どど、どうしよう!?」

「見てない!俺は見てない!」

「・・・・し、失礼しますっ!」


・・・・今みたいに、余計なことまで言ってしまうようになった。


朝の出勤時間。

まだ店長も社員もほとんど来ていない、事務所でのひとこま。

タイムカードを押しに来た長澤に思い切って自分から声をかけたらこうなった。


長澤は従業員の中でも出勤時間が早く、何をしているのかと思えば休憩室の机を拭いたり椅子を整理したり・・・・。

そんな姿を度々見かけていた。今朝もきっとそうだろう。

でも、よかった。

“ピンクだったな”なんて、口が裂けても言えやしない。