聞くと、モッサ君が働くスーパーにバイトの男の子がいて、その子に誘われて来たという。
焦げ茶色の短髪の子、名前は桐嶋君というらしい。
そういえば合コンが始まっても男の子側は2人だったけ・・・・なんて今さら思う。
とにかく、こうしてまたモッサ君に会えたんだからいっか。
場違いな合コンにならなくて済みそうだし、綾ちゃんの顔も立ちそうだしね。
「俺に彼女がいないからって、桐嶋が言うんだよ。“夏に置いていかれますよ”って」
モッサ君はマイルドセブン片手に“参ったよ・・・・”と苦笑い。
「あたしも。綾ちゃん・・・・あ、誘ってくれた子なんだけどね、同じようなこと言われて」
「長澤も?」
「うん。あたし、別に置いていかれてもいいんだけどな」
あたしもつられて苦笑い。
綾ちゃんの気持ちは嬉しいけど、夏だからって彼氏を作らなきゃならないわけじゃない。
それに、たとえそうして彼氏ができたとしても、すぐに終わってしまう気がする。
本当に綾ちゃんの気持ちは嬉しいけど、少し違うと思うんだよな、あたし。


