一応、綾ちゃんに恥をかかせない程度にはお洒落をしたつもり。
でも、綾ちゃんの友だちの女の子も男の子も、みんなすごく個性的でお洒落で・・・・。
あたしは、マネキンが着ていた服をそのまま買っただけ。
アレンジもオリジナリティも全然ない。・・・・浮いちゃってる。
「なんか、綾が無理やり誘ってすみません。知らない奴ばっかりで居心地悪いですよね。あ、まぁ、合コンってこういうものなんですけどね・・・・はは」
雰囲気についていけず1人でサラダをつついていると、向かいに座った男の子が話しかけてきた。
「あ・・・・いいんです。休みの日でも予定もなかったし」
「そうですか。友だちと遊びに行ったりは? しないんですか?」
「あんまり・・・・」
「・・・・」
いろいろ話しかけてくれたけど、あたしはこの通りで。
話なんて弾みもしない。
ついに男の子は、あたしとの会話を諦めてほかの子と話を始めてしまった。
と、そんなとき───・・。
「孝弘さん!遅いですよ!」
「悪い!仕事が・・・・」


