俺はそう言った。
梅村綾が今俺の目の前にいるということは、長澤は1人。
俺に割く時間があるなら、そのぶん仕事をしてもらいたいものだ。
「そんなぁ・・・・。綾、新しい水着とか浴衣とか、いっぱい買いたいものがあるのにぃ〜」
「だったらそのために働けばいいだろう。俺に絡むな」
長澤の性格はだいたい把握した。
きっと“知り合いの妹だから”と注意するのも気が引けるだろう。
そこは俺がフォローしてやりたいと思うところであって、その思いから梅村綾に少々きつく当たってしまう節がある。
「登坂さんって、顔はかわいいのにクールな人ぉ〜。綾、そのギャップがたまりません♪」
「大人をからかうんじゃない」
「えへ♪」
でも、それにも梅村綾は何も感じていないようで、口を開けばこんなことを言う。
“かわいい”だの“たまらない”だの、19歳の若者に言われても嬉しいとも思わない。
人によっては嬉しいのかもしれないが、俺に限ったことで言えばそうじゃない。
・・・・長澤に言われたら、また別なのかもしれないが。


