俺のココ、あいてるけど。

 
◆誠治side.*:・゚



「登坂さ〜ん♪」


また来たな、梅村綾・・・・。


「登坂さん、今日は何してたんですかぁ? 綾は未来さんと花火コーナー作ってるんですぅ♪ いいでしょー?」


俺の前に来ると、梅村綾は特徴的な話し方でそう言う。

・・・・別によくもないと思うが。


「早く仕事に戻りなさい。長澤が困るんじゃないか?」


俺は今にも抱きついてきそうな梅村綾をうまくかわし、大人の態度で接する。

長澤の紹介でバイトをすることになったという彼女は、何かにつけて俺に絡んでくるんだ。

特に接点らしい接点もないのに、正直に言うと面倒だ。


「あっ!そうでしたぁ!綾、登坂さんを見つけたら体が勝手に動いちゃって。ごめんなさぁい♪」


梅村綾は特に悪びれる様子もなくニコニコ笑って首をかしげる。

今の若い子はみんな、こんなしゃべり方をするのだろうか。

・・・・ついていけない。


「とにかく、ここの制服を着ている間はむやみに話しかけるな。働く意識を持ってもらわないと給料だって出せない」