麻紀は、この時間には珍しく、メイクも落としていなければ服も着替えていなかった。

ソファーに座って、テレビを観ながらレモンティーを飲んでいた。


「あ、誠治も飲む? 外、寒かったでしょ?」

「じゃあ、もらおうかな」

「うん、ちょっと待ってて」


そう言うと、麻紀は自分のマグカップも一緒に持ってキッチンへ向かった。

なんだか、今日の麻紀に少し・・・・違和感を感じる。

いつもの寝巻き姿ではないことを除いても、本当になんだか少し。


「麻紀、砂糖は2つな」

「分かってるって。ほら、誠治も早く座ったら? 遅くまで仕事して疲れたでしょ?」

「あ、うん」


でも、その違和感は最初だけで、あとはいつも通りの様子。

何でもないな、なんて思いながら俺は言われた通りにソファーに体を預けた。





「はい、お待たせ」

「サンキュ」


少しすると、ほかほかと湯気の立つマグカップを両手に持って麻紀が戻ってきた。

いつものように俺の隣に座って、フーフーと熱々のレモンティーを冷ましている。