◇未来side.*:・゚
登坂さん、かわいかったなぁ。
あんなに冷静で物事に動じない人なのに・・・・ふふっ。
登坂さんでもぼーっとしちゃうことってあるんだね。意外。
「あ、もしもし、小百合? ちょっと聞いて!今日、登坂さんのかわいいところを知ったの!」
その日、部屋に帰ると、あたしは急いで小百合に電話をかけた。
『かわいいところ?』
「うん、あのね───・・」
小百合に話して聞かせる。
灰皿の掃除をしに行ったら登坂さんがいて、煙草を指に挟んだまま頭に手を置いていて。
その煙草が短くなっていたのにも気づいていないみたいで、見つけたときには髪の毛が焦げていた。
思わず「早く消してっ!」なんて言ってしまったけど・・・・タメ口で気を悪くしたりしなかったかな?
そこがちょっと心配。
そんなふうに。
『へぇ〜、登坂さんっておもしろい人だねぇ。髪の毛焦がすなんて・・・・ぷぷっ。10円ハゲとかできなかった?』
「ハゲって・・・・ぷっ。その前になんとか消火したよ」


