そうして意気揚々とスーパーを出た俺だけど・・・・。


「あ〜っ!また赤信号かよ。なんで今日はこんなに赤信号ばっかなんだ!」


本気で信号を恨みたくなった。

部屋まで20分とかからないのにことごとく赤信号に引っかかる。

・・・・麻紀が待ってるっつーのに。


「今日の星占い、最下位だったっけ? 俺って」


あと5分もすれば今日も終わるというのに、今さら朝の星占い。

そうぼやいたあと、なんだか急にバカらしくなった。

シュボッ。

気晴らしに、お気に入りのジッポライターをスーツのポケットから取出し、煙草に火をつける。

麻紀の前では極力吸わないようにしているが、こういうときにはどうしても吸いたくなってしまう。


「はぁ・・・・。今日も一日よく働いたなぁ、俺」


煙草をプカプカふかしながら信号が青に変わるのを待つ。

真っ暗な外と、車の中のわずかな照明・・・・それにやけに映える煙草のオレンジ色。

帰り道は、いつもだいたいこんな感じだ。

自分に“お疲れ”とねぎらう言葉をかけて、煙草を吸う。