「何するのよ!邪魔しないで!」

私は男の人を睨みつけた

「死にたいの…お願い…助けなんていらない」

涙がこぼれる

私は死ぬこともできないの?

「ほっといて…どっか行って」

「どうして死ぬの?」

男の人はさびしそうな顔で私をみた

「あなたに関係ない」

ワン!ワン!

犬が私に向かって吠え、近づいてくる

「こらっ!パル」

私の洋服のすそを噛み、立たせようとする

「やめて!」

何度払っても

そのたび噛みつく

なんなの?

不意に男の人に腕をつかまれ

その場に立たされた

そのまま、強引に引っ張られ

海の出口へと歩き出す

犬も後からついてくる

「離して!」「触らないで!」

私が叫んでもお構いなしに進んでいく

男の人は、ある一軒家の前で足を止めた