「沙羅っ」 私を呼ぶ、いつもの声。 「翔っ」 私は元気よく返事をして、その場まで走って行こうとする。 「きゃあっっ」 来ていた服の裾に引掛かり、転びそうになる。 「ったく・・・んな格好で走るからだろ」 「ゴメン・・・いつもの癖でさっ」 私は翔に、舌を出して笑う。 翔もまた、私に笑いかけてくれる。