「逆に感謝するべきなんだよな。 俺の母親の最後の願い、 沙羅が聞いたくれた事を」 「・・・」 「だからなっ もう自分を責めるな。 どうせ俺もお前と同じ1歳。 母親の死に顔を見て思い出すより 想像してたほうのが気が楽だし」 「・・・」 沙羅は黙ったままだ。 「沙羅??」 俺が話しかけると 沙羅がゆっくり顔をあげる。 6歳の会話だとは誰も思わない。 「大丈夫だから・・・ だから墓参り、してやってくれ」 「・・・うん」 その時小さくうなずいた沙羅の顔は 今でも忘れない。