俺の母親は既に亡くなっている。 俺を産んで1年後にガンが見つかり そのまま亡くなった。 だから俺は母親の顔も、声も どんな性格だったのかも 今では何も覚えてない。 「あ・・・し、翔」 「ん??」 俺はゆっくり沙羅の顔をのぞく。 沙羅はさっきから下を向いてばかり。 俺との身長差がかなり大きくなった。 「あの・・・ね」 「なんだ??」 俺は沙羅に優しく問いかける。 沙羅は少し照れくさそうに 「私も行く・・・」