「よしっ」 私は翔の家のチャイムを押す言葉と 同じ掛け声で 私の家のチャイムを押す。 昔と変わらない音が 夜の空気を揺らしている。 「ハィ??」 お母さんの声。 懐かしいのとドキドキが 喉にからまって言葉にならない。 「どちらさま??」 「・・・私」 そう一言言うなり ---ブチっ チャイムのノイズと声が消える。 そしてかわりに ---バタンっ 家の扉が開いたんだ・・・