2人の王子と天然の姫


「沙羅・・・」

俺は

聞こえることのない小さな声で

1人呟いた。

その声は

夜の静寂に呑まれていく。

近づくに連れて

俺の心臓の音が大きくなる。

沙羅に聞こえたりしないか

それだけが心配だった。

そして

「沙羅」

俺がそっと呼ぶと

お前はゆっくりと目を瞑っていったんだ。