由沙はとっさに声をあげようとしたが、出てこなかった。

布のような物で口と鼻を覆われ何か吸わされた。


由沙は意識が遠退いて行くのを感じた。

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自室の椅子に座り書類を見ていたキングロスが異変に気がついた。

椅子から立ち上がると、隣の部屋に居たミハエルを呼んだ。

《御呼びでしょうか?》

《あぁ、ユサが魔界の奴らに異空間に閉じ込められた》

《なんでまた?貴方様のマジナイは充分だったはず》

《それが、私も不思議でならない……ミハエル居場所は分かっているな?》

《Yes,master》

《早急にユサを保護し奴らを消せ》


《判りました。それとユエを連れて行ってもよろしいですか?》

《かまわん》


では、と一言残しミハエルは闇に紛れるように消えていった。