だって、悪魔の囁きに抵抗なんか出来ないもん…!




「…いつまで、そうしてるつもり?」


「ずっとよ…!」


こちらを窺い見ているであろうお尋ねに、視線すら合わせず答えた私。




「・・・ハァ」


その態度に気を悪くしたのか、軽く溜め息をついたヘンタイ。



何でアンタが、溜め息をつくワケ!?



このヴェルサイユ宮殿(勝手に命名)に、ムリヤリ連れて来られて。


再びヘンタイに担がれて、応接室へと担ぎ込まれた挙句。


逃げる事も叶わずに、カッシーナのソファに座らされた。



ちなみに庶民がカッシーナと判った理由は、有奈と同じソファだったからで。


高級感たっぷりなソファの座り心地の良さにも、機嫌が直る訳もない。



静まらない怒りをぶつける場所もなく、膝を抱えてただ俯く私。