「はぁ~、美味しいっ!」


「未月ちゃんてば、大袈裟~」


紅茶の香りに包まれながら和んでいれば、今日もまた笑う紗枝さん。



「本当ですって、紗依さん!

この時間だけが、私のオアシスですしぃ」


ヒト仕事を終えて、お菓子を食べてお茶を飲める時間。


これが、何よりも幸せに感じられる瞬間だもん…。




そんな私は、上原 未月(ウエハラミヅキ)。


ただいま24歳の独身、オマケに彼氏もナシ。


平々凡々という言葉が、自らの代名詞。


まさにフツーを絵に描いた人間…と、思い込んでいる。



ちなみに社会人歴は、4年が経過したトコロで。


美容系の専門学校を卒業し、新卒で化粧品専門店を展開する会社に入社。


そうして研修後に配属されたのは、地元の大型スーパー内だったけど。



年齢層の高い顧客と年上のみの職場でも、全く気にならない私。


むしろ皆が優しいし、甘えられるから願ったりだもん。



平穏無事って、やっぱり大事だよね?


なんて呑気かつ、フツーな日々を送っているのだ…。