すると腰に置かれていた手が、いきなり私の膝をグッと掬った。


同時にふわりと、宙に上がってしまう私の身体。



覚束ないとは言っても、地に足はついてたのに。



「ギャッ…!」


突然奪われた怖さと驚きによって、思わず叫び声を上げた私。




「未月…、もう少し可愛い声出せよ」


「な…、アンタの・・・」


不測の事態に、可愛い声なんか出せるか…!



文句を言おうとヤツを見れば、黒曜石の瞳が呆れていたから。



ヘンタイのせいじゃん…!


そんなイラつきを抑えて、グッと言葉を呑みこんだ。



というかね?もう返せる言葉が出て来ないのよ…。




これも全部、お姫様抱っこのせいにしたい・・・