ちょっと待て…、さっき私が頷いちゃったのは。



“婚約”するよな?って、お尋ねだったのー!?



い、いや…、おかしすぎるから、絶対。


そんな同意なんて、私はしてない…!



何でこんなヘンタイと私が、婚約なんか…!?




「未月、言っておくが――

拒否権なんてもの、この世界にはナイからな?

それに…、オレの発言は罷り通ると覚えておけよ」


「はぁー!?」


「自分の発言には、責任持てよ?」


まるで口に出していたが如く、的を得ているけど。


身勝手すぎる発言のクセに、有無を言わせぬ発言だ。



パニック続行中の脳内では、もう反論すら見つからない…。




「あ…ちなみに俺は、英 涼雅(はなぶさりょうが)。

よろしく未月…、クスッ」


「・・・っ」


今頃かよ!とツッコミしたい、簡素な自己紹介とともに。


チュッとワザとリップ音を立て、頬にキスを落とされた。



はぁ!?何なのコレぇええ!?