連行されている私は、必然とバッキンガム宮殿に足を踏み入れた。


ドアマンによって開かれた、重厚な扉の先は…。



やっぱり、想像を絶する異世界だった!!



そうして平凡な私には、まったくご縁も興味もナイ。

まして価値すら分からない、大層な調度品に迎えられた。



内部では執事っぽい格好で、お給仕する人。

タキシードを着て、グラスを片手に歓談する人。

奇抜で派手なデザインの、ドレスを着ている人。


遠慮がちに、チラリと辺りを見回しただけなのに。



セレブって、どんな生活送ってんのよ!?


私のドレスなんて、別に派手じゃないし…。


いい加減パニックを起こしたのか、回路がブツンと寸断されると。


「何なの…、ココ!?」


紡ぎ出た言葉はもう、どう考えても場違いなモノ。



「何って、見ての通りの会場だけど。

今回は割と…、ていうか地味だけどな」


その言葉に驚いた私は、平然としているヤツの顔を見上げた。



ちょっと待て…、コレのどこが地味なのよ!?