となれば…、答えは２つに１つ。
「受付を済ませて、帰ろっ！」
出席した証拠があれば、有奈のメンツは保たれるし。
コッソリ逃げちゃっても、絶対に分かんないよ・・・
「クスッ・・・」
え―――？
後方から聞こえた微笑に、条件反射のように振り向く私。
するとタキシード姿の男性と嫌なくらい、バッチリ目が合った。
切れ長の二重瞼に、黒曜石のような漆黒の瞳。
スッと通った高い鼻と、シャープな顎のライン。
すべてが均等に整った、バランスの良いパーツ。
うん…、イケメンだ――
「面白いね？」
その顔に感心していれば、落ち着いた低音ボイスが耳に届いて。
「・・・はぁ？」
その彼を観察していた私からは、間抜けな声が出てしまった。
