「だ、誰・・・?」


「誰って・・・

未月に決まってるでしょ!」


すべてを見届けていた有奈は、笑顔で答えてくれたけど。



「・・・詐欺だ――」


自分でも誰だと思うほど、鏡に映るのはまったくの別人だ。





コレが、私・・・!?




数えるのも諦めたくらい、沢山試着させられたドレスだけど。


選ばれたのは、柔らかいペールピンクのワンピースタイプ。


この地味顔には、全然似合わないと抵抗したのに。


有奈が強引に押し切って、勝手に決めてしまったのだ。


イヤなくらい、胸元が強調されてるし…。



ふわりと揺れる緩やかな巻き髪は、ハーフアップに結われた。


メイクはドレスに合わせて、淡いピンクカラーがメイン。


お肌もツヤとパール感重視で、華やかかつ立体的な仕上がりだ。



・・・一端のBAには、絶対ムリな出来栄えです。