話を持ちかけた有奈に、よけいに迷惑を掛けるだけだし。



うん…、やっぱり――



「・・・未月。

今から断るなんてナシだからね?」


「え・・・?」


いつものように穏やかだけど、どこか冷たく響いた声。


その声の主はもちろん、美人で自慢の親友の有奈で…。



まさか私…、口に出してたの…?


ヘラヘラ笑いながら、チラッと横目で有奈を窺い見れば。



「お願いしておいて、確かに失礼だけど!

いまさら断ろうとか、もう出来ない状況だからね?

父にも相手先にもね、出席OKの返事を出してあるの。

未月のコト信頼してるから、ね…?」


「う…、うん――」


可愛い顔をして、やっぱり抜かりのナイところは相変わらずで。


有奈には負けた…――



逃げられないと分かったからには、覚悟を決める外ナイ。



ウルウルのチワワ目でお願いされて、今さら断るなんてね?


幾らなんでも良心が痛んで、とっても出来ないよ…。