「セレブ生活って・・・」

そんな憐れな嘆きをすれば、隣から呆れた声が聞こえたけど。


顔を埋めたまま、一切聞こえないフリをした。



だって…、好きなモノに囲まれた仕事に。


お金だって、困らない程度あればイイ。


地味~な日々に、ほんのりと幸せがあればもう十分。



だからこそ、上流階級の生活には染まる筈ナイ…――




「有奈みたいにね、美人な子が磨くのは分かるけど。

私なんかじゃ、いくら磨いても石コロのままなんだよ。

無駄にお金使わせて…、ホントごめん…」


高級スパで施術を受けながら、なんて言い草だろう?


そのうえ美を扱う職業のクセに、もう救われないけど。


こんなにドッと疲れたのは、この思いが大半を占めていたから。




やっぱりね・・・


パーティーの代理出席、断った方がイイ?



有奈の代わりなんて務まらないし、無謀すぎたよ…。



いくら頑張っても平凡な私には、自信が生まれナイから――