「何が?もしかして気に入らなかった?

ここって、セレブ御用達の有名店なのにぃ」


項垂れる私と隣同士に、一緒のコースを受けていた有奈。


手入れの行き届いた艶々のお肌が、さらに輝いている。



「違うわよ~~!

もぉ、限界なのよぉ!!

私は平々凡々な女だって、いつも言ってるでしょ!?

こんな…セレブ生活とは一切、ご縁のナイ女なの!」



メイクを施すのも、フェイスケアをさせて頂くのも好きよ?


でもね、ソレがされる側となれば話は別だ…!


そう吐き出して、目の前の枕に深く顔を埋めた私。


ついて出るのは、幸せまで逃げそうな深い溜め息だけだ…。




たったの、1週間・・・


お金に糸目をつけない、優雅すぎる生活を送らせて貰って。


確かに、もの凄く贅沢すぎる時間だと思った。



親友の粋な計らいには、もちろん感謝。


それは、凄くしてるけど…!




平々凡々がモットーの私が、セレブ生活に馴染めるワケない。



ここ最近は、ドコでも気の休まる処がないわよ!