「うん…でも、その代わり!

これで準さんと別れたら、許さないから!

ついでに、オークラの高級ランチ奢りのオプション付きでね」


クスッと一笑して、まだまだ泣き顔の有奈に言い切った私。


最後のランチの件は、半分本気なんだけど…。



「あり、がとぉ…!」


すると彼女は席を立つと、泣きながらギュッと抱きついて来た。



「うぅ…っ、未月ぃ、大好き…!」


「もぉ、泣き虫ー」


サラッと言ってくれた、その言葉が嬉しくて。


泣きじゃくる彼女を笑いながら、ポンと頭を優しく撫でた。



・・・大事な親友だもん。


悩んで苦しむ姿は、見たくなかったの。




でもね…、この選択が間違っていたのかな?



平々凡々な日々が一気に、ガラリと崩れ去る事になろうとは。



この時の私には、まったく想像も出来なかった…。