逢いたい時に貴方はいない

その人は
ある日突然現れた。


窓越しに黒いサングラスが反射する。


背中に落書きがあるように見える風貌は

私のお店にはミスマッチだった。


……カラン♪


ゆっくりと扉を開けると挙動不審にキョロキョロ周りを見渡した。


「いらっしゃいませ」

夜の店で培ってきた営業スマイルは未だに健在な私だ。


その人は
恥ずかしそうに こちらを見て、軽く会釈した……


Vシネマから
出てきたような彼は
本当に うちの店の商品とは縁もない雰囲気で ちょっと、笑えた。



…ふと、
彼がくれたX'masプレゼントを思い出す。


彼が選んでくれた
あのプレゼントの時と同じ感覚だった。


彼もあの時、
一人で女の子のお店を訪れたのかな…?