逢いたい時に貴方はいない

『今、仕事終わったんだよ…
どうすりゃいい?』


00時30分頃……
彼からの電話。

ここの所、
仕事が忙しくて丸一日、二日は
当たり前のように仕事だから、
連絡がつかない事が多かったし、
彼が終わりを告げようとした
連絡の時からは
一切こちらから連絡してないから
彼の状況はわからない……



でも、今日はX'mas。
彼と約束をした日。



きっと、早めに仕事を切り上げてくれたんだと、密かに期待した…

勿論、私は仕事中。
X'masと言ったら
私と過ごしたいお客さんは、
沢山いるわけで


お店自体もX'masイベントとして
店を盛り上げて、
売り上げを出すには
もってこいの日だった。

それでも、今の私は
売り上げよりも
彼との時間が大事で、
未だにどうしても
彼を取り戻したくて
説得しようとさえ思っていた。


「じゃあ私今店抜けるからさぁ、
駅前にいるんでしょ?」

今にでも走り出す勢いで
ドレスの裾をめくった。


『あんま時間ないから』

久々に聞いた彼の声は
今まで通りで嬉しかった。

もしかしたら、
まだ間に合うんじゃないかって
思えた。

「じゃ、すぐ行くから」

『山崎も一緒だかんな』

!!!!?

な…なんで?
大事な話をするのに、
なんで他の人を連れてくるの?

「…一人じゃないの?」

『ぁぁ…これから行くとこあるし』

私との話はついでなの?
少しでも期待していた自分に
恥ずかしくなった…。


「ソ…そう。
じゃぁ悪いからいいょ……」

『そうか。わかった。じゃあな』

………

ちょっと待てよ!
って……

一人で行くよ!
って……

言ってよッ!!!

「ゥン……ジャァ」

きっと
語尾なんて聞こえない声しか
出てなかったと思う。

その場に、腰が抜けて
ヘナっていくのが自分でもわかった。


ここ何日間も、
今日の事ばかり考えて
考えて、悩んで、苦しくて……

それなのに、これ何?
ハッキリ言って、
不完全燃焼という奴だ!!!