「え…いや…これじゃあハルトが寒いじゃん」 マヤはマフラーをハルトに返そうとする。 「いいんだ…。俺は寒くて」 ハルトは自分に言い聞かせるように言った。 呟きに近い声だった。 マヤにはハルトの横顔が遠く感じた。 同じ景色を見ているはずなのに、隣を歩いているはずなのに、ハルトはどこか遠い場所にいるようだった。