君との期待値


「それでね……」



美波がちょいちょいと私を手招きする。



合図に従って近づいていき、少女の口に耳を近づけた。



「今日の昼休み、
誰にも気づかれないように琉花先生の教室に来て、だって」



ひそひそ囁く。



気づかれないように?



「何で?」



「分かんない。けど拓真くんに合うのがバレないようにって意味だと思う」



ますます訳分かんないよ。



やっぱり……避けてるってこと?



だったら
……悲しいな。



胸の奥がぎゅってなる。



でもどうせ会いに行くつもりだったんだし、
呼ぶ手間が省けたって思えばいいよね。



プラス思考、プラス思考。