さっきあったことも聞けない。



昔の事も聞けない。



自分が傷つくのが恐いから。



このやるせない気持ちはどうするべきなのか。



赤羽くんは部活を止めるかもしれない。



こんなに私に心中を明かしたのだ。



そんな気がする。



彼が香坂さんを想っているのは苦しい。



けど、赤羽くんに会えなくなるのはもっと苦しい。



「辞めないでね」



その言葉に彼はゆっくり顔を上げた。



「園芸部。
赤羽くんは貴重な一年生なんだから」



ぐちゃぐちゃな顔で笑った。



辛くても、せっかく気持ちに気づいたんだもん。


一緒に……いたいよ。