君との期待値


赤羽くんが、見慣れない制服の女の子と話をしている。



……楽しそうに。



まさか、園芸部に見学者がいるとは思ってなかった私は、
仲の良さそうな2人の間に入っていけない。



赤羽くんの隣の少女。



誰……?



木の影から様子を伺う。


「……変わらないな、香坂は」



声が聞こえた。



私に向けた言葉より柔らかな口調で、優しく見守るような少年の瞳。



あんなの……初めて見る。



「夏弥も、ちっとも変わらないね」



花のように、少女も笑う。



ズキンッ



何だろ……この気持ち。


逃げたいなんて、変だよ。



足が、ガクガクと震える。



香坂と呼ぶ赤羽くんの笑顔と、呼ばれた少女の笑顔が頭から離れない。