もう知らない人に嫌われるとか嫌だ。
だから念には念をいれて、拓真のことはまだ美波にしか話していない。
「う~ん。
確かに私も亜姫ちゃんだと思われる可能性は高いと思う」
美波が人差し指を立てて、考えるポーズをとる。
だよね。
赤羽くんから嫉妬されてるって聞いてから考えた。
思い返すと今までなーんか睨まれてるなあって感じることがあった気がする。
「美波~。どうしよう。みんなに拓真のことなんて報告すればいい?」
机に両手を伸ばして倒れ込む。
今日はまだ聞いてないとか言ってごまかしたけど、いつまでも知らん顔するわけにもいかない。