君との期待値


記憶をたどって今日から今までの事を思い出す。


しかし、彼女と接点があるとはどうも記憶の中にはない。



「気づかないうちに何かしちゃったかな」



「お前の頭んなかはすっからかんか」



ハァっとため息をつく少年を見上げる。



「亜姫が拓真先輩と仲いいから嫉妬してんだよ」


嫉妬……?



「私拓真のこと好きじゃいよ」



「知ってるよ。昨日はからかっただけだし。
でも亜姫の気持ちと周りの捕らえ方は別」



ふにっと鼻を掴まれた。


彼がかがんで私と目線を合わせる。



「空気読んで行動しろよ」



それだけ言うと彼はじゃなっ、と言って去っていった。



小さくなる彼を眺めていると予鈴がなって、私も慌てて教室へと足を走った。