君との期待値


赤羽くんの指が私の髪にゆっくりと触れ、髪をとかした。



神経が髪にも存在するかのように触られて全身が熱くなる。



「俺、お前のこと好きになったみたい」



ドキッ



『好き』

信じられような言葉に私の鼓動は増していく。



嬉しい。



私も、って一言言えば私たちはつき合えるのだろうか?



しかし、彼の瞳からはその言葉を望んでるようには思えない。



「今は何も答えんな。
バレンタインの日来るか来ないか、それで決めるから」



赤羽くんの指が名残惜しそうに私の髪から離れてゆく。



「一週間。自分の気持ち整理しとけよな。
一週間もあれば、気持ちなんて変わるかもしんねーし」



少年は私に背を向けて歩き出した



「じゃあな」



そう言って立ち去る背中を虚ろな瞳で見つめる。



最後に発した彼の言葉がやけに胸に残る。



彼も、そこを強調してたようだった。