君との期待値


「拓真先輩」



「籠原をからかうのも大概にしろよ」



そこにいたのは生徒会室にいるはずの拓真だった。



助かった。



ホッと胸を撫で下ろす。


でも、何かが胸に詰まったようにモヤモヤする。


少し体をずらすと拓真と目が合った。



「籠原も、夏弥のペースにのせられすぎ」



いつになく拓真の視線が冷たい。



あれっ?



もしかして……怒ってる?



拓真はいつも冷静だから、感情の変化は分かりにくい。



だから、今も怒ってるかは非常にきわどいところだ。



「えっと……生徒会は?」



「ちょっと様子見にきただけだからもう戻る」