君との期待値


「は?俺は?」



「夏弥は片付け手伝って」



そう言って赤羽くんはゴミ袋を握らされてる。



「行くぞ」



拓真が歩き出し、私も慌てて追いかける。



一言言って歩き始めてくれたのが、何故か嬉しい。



……拓真の優しさに飢えてるみたい。



何となく話ずらくて、隣ではなく後ろを歩く。



空気が固い。



せっかくくれたチャンスだけど、何から話せばいいんだろう。



軽い気持ちでいけば大丈夫だよね。



でも……
軽い気持ちってどんなんだろ?



あーでもない、こーでもないと考えているうちにお店についてしまった。



拓真は目的のバケツをすぐに見つけて私たちは店を出た。



もともと拓真は無口な方だけど、ここまで一言も話さない時はなかった。



相変わらず、後ろを歩く私の方を振り向きもしない。



昔は、私のことを気遣ってゆっくり歩いてくれたのに。



もしかして、私といることに疲れちゃったのかな。