「須田くんって、誰が告白しても全然OKしないんだよ。
だからみんな彼女いるんじゃないかーって捜索してるんだ。
籠原さんならわかるかと思って」
そんな話があるんだ。
「お願いっ。よかったら聞いてもらえないかな」
パンッと両手を合わせる少女に続き、後ろのギャラリーも頭を下げる。
ここまで拓真の時代がきてるとは……。
必死な女子を目の前にして断れるほど、私ははっきりした性格じゃない。
それに、こんなに女子を騒がせる拓真の好きな人が私も気になる。
よしっ。
「チャンスがあったら聞いてみるよ」
その言葉にワアッと声をあげる。
ありがとうありがとうと口々に繰り返される。