目の前にいたはずの新谷はいつの間にかいなかった。




授業が終わると、いちもくさんに大地のクラスへ走った。

4クラスも離れてるとキツいな;;


「大地!!」

「篠岡じゃん。大地なら便所行ったぞ?」

「わかった、ありがと」
教えてくれた水畑にお礼をして近くの便所まで走った。





でも便所にはいなくて大地達のクラスに戻ったから大地は鼻栓をしていた。


「どうしたんだよそれ……」

「鼻血」

苦笑いする大地の頬には血の乾いた後があった。

「血、まだ付いてる」

「マジかよめんどくせ;;」

そう言って教室を一緒に出た。





「なぁ……大地。」

「あぁぁー?」
大地は鼻血を出さないように上を向いて返事をした。

「…………。」



“ドラフト候補生になった”
って言ったら、…どんな反応すんのかな……。
でも事実だし言うと自分で決めた。



「―……どうしたんだよ最近。」
黙りこんでいた俺を、大地は真剣な顔をしてきいた。

「あぁぁあぁ〜;;」

「何だよそれ;;」



やっぱり俺は根性無しだ。