「志保子(しほこ)、お待たせ!
あ、まぁた黄昏れてる〜」


「麻美(あさみ)っ
またってなによぅ…」


あたしは鞄を手にして椅子から立ち上がった。


「誰の事考えてたのかなぁ〜?」


「知らないっ。
もう!帰るよっ」



あたし藤沢 志保子(ふじさわ しほこ)17歳


ごくごく普通の女子高生。


「あ、ねぇ聞いた?
A組のイケメン転校生の事」


親友の市川 麻美(いちかわ あさみ)が興味津々な顔であたしに聞いて来た。


「転校生??」


知らなかった。


「あーハイハイ。
志保子は一人にしか興味ないもんねぇ」


「…何その言い方」



実際、そうだけどさ?