少しずつ壱也から後退りする。 「……流依……?」 優しい声…だとわかっていても、身体が私を壱也から遠ざける。 ………っ…… 「流依…、大丈夫だから…俺は何もしない」 いつの間にか近くにいた壱也は私を優しく抱きしめる。 「…っ…壱、也っ…恐かった…ふっ…ヒック…っ」 抱きしめられたとたんに緊張の糸がほぐれたように壱也の腕の中でしばらく泣いた。 「大丈夫…大丈夫だから…ごめん…早く気づいてやれなくて…」 壱也の腕の中で。ふるふると頭を横に振ると、頭に激痛が走る。 「いった……」