そう言われても、恋愛なんてしようと思ってするものじゃない。 私はきっと、臆病になっているのかもしれない。 大切な人を失うことに。 ホームルームは進んでいき、授業が始まる。 先生の声、チョークの音。 なんとなく、今日は勉強に集中できず、その音だけを聞き、まだ雪のうっすらとのこる桜の木をながめた。 ──── ─────── ──────────