そう言った途端、いきなり壱也は立ち上がり、私の腕を掴み社長室を飛び出した。
「親父、また来る」
「お、おぉ…」
社長室を抜け出し、タイミングよくおりてきた誰も乗っていないエレベーターに入る。
「壱…也…?」
「お前…俺のこと嫌いなのかよ…」
壁に寄りかかって発した言葉はいつもより、弱々しく聞こえた。
「嫌い…じゃない…でも好きかはわからない…」
「わからない…ね…」
そこで弱々しい声でうつむいていた壱也は怪しげに微笑み、私の顔の横の壁にてを押し付け、激しいキスが降ってくる。
「んっ…ふぁ…まっ…て…」
意外にもキスはすぐに終わり、壱也は唇を耳元まで近付け、囁いた。
「わからないならわからせてやるよ…お前がどれだけ俺を好きか」

