「…?…何が?」
そう問われて、つい本音を言ってしまったことに気付き、あわてて口を押さえた
「あ、なんか…このリムジンも壱也さんのだったら、ますます私とは違う世界の人なんだなって…
少し、壱也さんが遠くに感じちゃったんです…」
壱也さんを見ると、大きく目を見開いて、かなり驚いていた様子だった。
「なんかごめんなさい…
でしゃばりすぎですよね。もとから壱也さんは遠くの存在なのに…」
そう言い終わった頃には、私は壱也さんに抱きしめられていた。
「壱也…さん?」
「俺は遠くになんかいかない。流依のそばにいる。ずっと…」
その言葉に安心しきった私の頬に、涙が流れた。
婚約者…壱也さんとなら…頑張って行けそうな気がする…

